幸いなことに引越し業界にはある程度の自浄作用があります。
そのため悪徳引越し業者はかなり少なくなってはいます。
インターネットが普及し、さまざまなひとのクチコミが手軽に手に入るようになった今、悪徳引越し業者の悪評というのは一気に広がるからです。
このような悪徳引越し業者はあっという間に引越し業界から駆逐されます。
ただ、引越しというのはそれほど頻繁に行うものではない、と考えているひとが大半です。
そのため多少の不備や気に食わないところがあっても「まぁ、もうこれっきりだから…」と泣き寝入りしてしまうひとが多いのも事実です。
悪徳引越し業者が完全に撲滅されないのは、このような理由もあるのでしょう。
今回はそんな悪徳引越し業者の手口を紹介したいと思います。
「割引できる」にはウラがある
私たちが何かを購入するとき、必ず気にするものがあります。
それが「割引率」です。
「○パーセントオトク」「今だけ○割引き!」という表現に心が躍るのは、決してあなただけではありません。
しかし、このようなあおり文句というのは、実はそれほど意味がありません。
というのも、「値引き前の価格」が不当に高い金額であり、結局のところ、
割り引かれた金額が「適正価格」であることはよくあるからです。
そのため、必要なのは「割引率」ではなく、「結局のところいくらか」ということによります。
また、ほかの業者にも見積もりを頼んでいることをにおわせると、
「割引ができるからうちにしませんか」と誘いをかけてくる会社もあります。
もちろん、これを期待して見積もりをとるという側面もあります。
しかし、その上で出してきた金額が、ほかの業者よりも明らかに安かった場合は、
「なぜ安いか」を考えましょう。
というのも、本来は必要な工程の費用が盛り込まれていなかったりするからです。
資材費用
見積もり段階のトラブルのところでもお話しましたが、
業者はしばしば「サービス品」としてダンボールなどをおいていきます。
見積もり後に断ると、このダンボールのお金を請求されることもあります。
しかしこれは完全なる違法行為です。
あくまでも「サービスの品」として自発的においていっているものにお金を請求することは、
認められている行為ではありません。
ひどい場合には恫喝に近いことをしてくる悪徳引越し業者もいますが、このようなケースの場合は、
警察にすぐに相談してください。
手付金の話
ちなみに、上記に関係して一つお伝えしておきたいのですが、
「予約金」「手付金」を請求する行為も違反行為です。
これは、「前払い金」とは違います。
前払い金の場合は、引越しにかかる費用すべてを引越しの前に払います。
当然、後払いを選択した場合と前払いを選択した場合では、金額はかわりません。
しかしながら「手付金」というのは、引越しにかかる費用の一部を支払わせるものです。
この手付金を払ってしまうと、契約を解除しにくくなってしまいますよね。
それこそが、悪徳引越し業者の狙いなのです。
尚、余談ではありますが、この「手付金」の考え方は住宅メーカーなどにも応用されていることがあります。
ひどいケースだと見積もりをだすことにさえ手付金が必要となるケースもあるので注意です…