引越しについて調べている時に良く目にする赤帽。
赤帽は普通の引越し業者とは異なり、約9000人の軽貨物自動車運送事業者が組合員として集まり組織された共同組合です。
引越し業者というより貨物の運送をメインに、その延長線上で引越しのお手伝いもしているというイメージの方が近いと思います。
赤帽は会社組織ではないため所属している共同組合との連携がうまくいかない、受注した組合員によってサービスの質が変わるといったトラブルも少なくありません。
ただ、赤帽は通常の引越し業者よりも格安で引越しができるので単身者にとっては強い味方となっています。
赤帽は引越し業者なの?
昭和53年設立、正式名称『全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会』の赤帽は一般的な会社とは異なります。
農家が集まり組織された農業協同組合(JA)などと同様で、軽貨物自動車運送事業者が集まって組織された共同組合になります。
全国44共同組合、約180ヵ所に営業拠点があり約9000人の組合員が所属しています。
赤帽に依頼したい場合はまず、その地域の営業拠点の共同組合に連絡をします。
共同組合から各組合員に仕事の割り振りが行われ、割り振られた組合員は規定の料金に従い仕事を受注するという流れになっています。
各個人事業主は自分の軽貨物自動車を使い運送や引越しを行うため、大きな荷物や荷物量の多い引越しは得意としていません。
また、単身者の20㎞以内の近距離引越しなら他の引越し業者と比べて安価な場合が多いですが、お手伝いをする必要があるので単身者なら誰にでもオススメという訳でもありません。
同じ赤帽でも金額が異なる理由は?
赤帽に引越しを依頼する際にホームページで引越し料金を見た事がある人もいると思います。
例えば東京の場合、作業時間2時間以内・走行距離20km以内:¥13,500と基本的な料金の確認が可能です。
ドライバー兼、作業員数は1名で土日祝祭日は2割増と条件はありますが基本的な価格は決まっています。
ただし、これが北海道の場合は¥11,880、福岡だと¥14,040~と地域によって基本の金額が異なります。
また、引越し業者同様、時期や荷物量、作業内容によって更に金額は変わってきますね。
赤帽では引越し料金算出に時間制・距離制という制度を設けているため、見積もりで提示された引越し料金と実際の引越し料金が異なる事があります。
また、全国一律料金のプランがある引越し業者もありますが、赤帽は個人事業主として組合を通さずに個人で依頼を受注するケースもあります。
そのため事業主によってはホームページに記載のある基本料金より低価格という事も。
他にも各事業主によってオプションサービスなども異なるため引越し費用に差が生じます。
例えば階段料金が追加で発生する赤帽と発生しない赤帽など様々です。
格安赤帽のデメリット
他の引越し業者では各依頼者の荷物量のよってトラックのサイズが変わりますが赤帽はトラックのサイズがほぼ決まっています。
走行しているところを見かけた事がある人もいると思いますが、引越し業者の扱う2t車などの大きなトラックではありません。
そのため荷物の少ない単身者にとっては格安引越しが可能ですが、家族引越しの場合は赤帽を利用する事は難しいです。
赤帽のトラックに積める荷物量目安はホームページにも記載があり、ダンボール10箱・エアコン・シングルベッド・テレビ・冷蔵庫・パソコン・食器棚・机・イス程度の荷物が積み込み可能となっています。
また、赤帽は引越し業者と基本的なサービスも異なります。
例えば、ほとんどの引越し業者で無料でもらえるダンボールやガムテープなどの梱包資材の提供はありません。
有料で手配する事はできますが梱包資材にお金をかけていては格安引越しにならなくなってしまうので、スーパーやドラッグストアなどで調達しましょう!
他にも荷物や建物を傷付けないための養生も特に統一されていないので、簡易的な養生という事も。
格安引越しを提供するためには削らなくてはいけない部分があるという事ですね。
依頼者が作業をお手伝いするというのも費用削減の一つですが、一人で持てない大きな物だけ一緒に運べば良いという訳でもありません。
ドアtoドアのため小さな荷物は自分で玄関まで運び、引越し先でも玄関から部屋の中に荷物を入れる際は自分で運んでくださいという赤帽もあります。
基本的に引越し業者は小さい荷物も作業員が搬出、搬入、積み込みまで行ってくれるのが普通なのでこの辺も引越し業者と異なりますね。
引越し業者には『梱包は自分たちで行ってくれれば引越し料金が安くなるよ』というプランが必ずと言って良い程あります。
たとえ大手の引越し業者だとしても自分でできる事をすれば引越し料金を安くする事は可能という事ですね。
赤帽は格安な引越し料金は魅力的ですが他の引越し業者と比べてみるとサービスなどで劣る面が少なくありません。
地域密着の引越し業者などと比べると、案外変わらない金額で引越し作業を依頼できる可能性もあります。
サービスなども何社か見積もり依頼をして比較してみるのがオススメです!
赤帽は近距離単身引越しの時に利用するべし
赤帽は引越し業者ではなく運送業者。
その中で引越し業務も行っていますよというレベルなので、引越し業者に比べると作業スキルなどはやはり劣ってしまいます。
また、赤帽はトラックが小さいため単身者でも荷物が多い人は荷物が積み切れない可能性があります。
その場合、トラックのサイズを大きくするという選択肢はないので、もう1台トラックと作業員の追加もしくは往復作業となり、もちろん費用が発生します。
赤帽は確かに格安ですが荷物がトラックに積み切れない人はむしろ割高になってしまうかもしれませんね…。
でも、家族引越しの場合トラックを2台にしても荷物が積み切れるなら他の引越し業者より安く済む可能性もあるので、一度見積もり依頼をして概算料金を出してもらってくださいね!
赤帽は個人事業主の集まりという事もあり、どの赤帽に依頼するかで引越しの満足度が大きく変わります。
それだけではなく提供しているサービスも、同じ『赤帽』なのに異なります。
例えば同乗OKかNGか、土日祝日や階段の有無による割増料金など。
他にも引越し業者がオプションサービスとして受注しているエアコン取り外し・取り付け作業なども赤帽の場合は自分で専門業者に別途依頼する必要があります。
どこの格安引越し業者も引越し費用が安いのには理由があるという事。
でも、格安な上に親切丁寧な作業をしてくれる引越し業者もありますよ!
大手引越し業者は高いから…、中小引越し業者は作業が不安だから…などと思わず、まずは複数の引越し業者から見積もりをとってみてください。
まとめて見積もりを集めればどの引越し業者が1番安いか簡単にわかりますよね。
まずはまとめて見積もり依頼が出せる方法を試してみてください♪